【FAKE】嘘に対して真実を突き詰める生々しいドキュメンタリー

ゴーストライター問題が公になってからのドキュメンタリ-映画FAKE。

森達也監督が自ら自宅マンションでの撮影をした作品で、耳の障害を抱えているという佐村河内守は奥さんの香が手話で監督との間を取り持つ。

佐村河内守の新垣隆の記者会見のVTRを見て、テレビでの扱われ方も納得がいかない守の様子が赤裸々に映っています。

マスコミの報道の仕方が、新垣の記者会見も不信感でいっぱいで、番組の出演の断固として断るものでした。

自分友人の神山にも記事に書かれて無念だと、最後に監督が「今僕になにか隠していることはありませんか」とすごい質問をする森監督。その佐村河内守の横顔が衝撃です。

夫婦の今の様子が赤裸々に

耳の障害に悩まされていて共作だと思っていたのに新垣勉の記者会見によってゴーストライター問題が発生して人生が一変した佐村河内守のドキュメンタリーに乗り出した森監督の自宅での撮影で、作曲家としての人生がいっぺんにして名声は地の底です。

自宅の映像があり手話での監督と守るを結びつける香。新垣勉や神山典士とはかかわりのないことを確かめてからの話をするということで思い悩んだ様子が伺えます。

夫婦の今の様子を赤裸々に語っていてまだ傷は癒えていないようで顔つきは暗めです。

マスコミへ復讐心

新垣勉の記者会見の様子がテレビで流れている時に18年もの間ゴーストライターで生きてきたと暗い顏の新垣勉の顔がドアップに映る中、何を思うか監督と共に見終わりその後におもむろに監督が守に「1分で言いたいことがあれば何を言いたいか」と監督が尋ねると「ゴーストライターとは言われたくない、共作だとだまっていた問題」という守。

自分の聴覚障害を嘘のように報道されることへの不信感がひしひしと伝わってきます。

何もしんじられないような奥さんしか信じられないというような様子の守。監督の耳が聞こえないテストにも脳波の結果の診断書も出してくる。口の動きから人が何を言っているかが分かるようだ。

マスコミへ復讐心があるようで、新垣勉へのどうして嘘をついているのか自分を裏切ったと。番組出演を断り、でもインタビューは流されることになる。不信感が強くて外に出るのも人が信じられなくなっている守の感情を強く感じる。

なっちゃん

外出する佐村河内夫婦は監督と一緒に行動するがタクシーで行くが、コンサートの興行会社から訴訟を言われていて弁護士に会いにきていた。名誉棄損で新垣をと思っている弁護士側と守自体は変わらず、共作だと言い張る。新垣勉は自分が曲は作っていると言い張る。この両者譲らな状態になっている。

消火器がいたずらの対象になって何度もされていて困る警察も動いていて悪さをする奴がいるという守。こんなことになってしまうのかと大変だなと思うが社会の人は名誉が落ちてしまうという怖さを感じます。

髪の毛も伸びてバラエティーに出る新垣勉を見る守は何を思うのか。またテレビへの不信感が表情で分かりました。あの時にテレビに出ていたら少しは今の状況よりは何かが変わっていたのではと監督が言っていて私もそう思いました。

ボランティアで知り合った目の不自由ななっちゃんが来てふれあいを映しています。こういう優しい人が少しで近くにいて良かったと思いました。

「僕に嘘や、隠していることはありませんか?」

神山の存在が出て来て、それは親しくしていたのに記事を書かれて障害者を傷つけたということでした。神山との確執も強く感じます。

守は作曲活動を再開していてレクイエムを監督に聴いてもらう。

撮影の最終日に監督が「僕に嘘や、隠していることはありませんか」と尋ねる監督に、守は深く考え込んでいる横顔で終わる。

この横顔の衝撃がとても印象的でした。

カメラを止めるな

これはドキュメンタリーではないですが、ゾンビもいないのも分かっていますが、生の感覚というか監督と撮影される人が凄く近くにいる感じがします。

そういう感覚が見ていて似てるなと感じます。

撮影する人の思いや撮影される人の気持ちが分かりやすく、FAKEはドキュメンタリーでありながら作り物な感じもしたりして、カメラを止めるなは堅実にあるのかと思うくらいの感じがしました。全く違う視点で見て面白かったです。